1. 行列のできる法律相談所:家庭内別居中に浮気されたら慰謝料は貰える?!
家庭内別居中に浮気されたら慰謝料は貰える?!
女性Aは男性Bと結婚は結婚していたが、3年間も会話が無かった。
いわゆる家庭内別居状態。
食事も、洗濯も、それぞれが別々に行い、寝室も別々だった。
また、双方とも仕事を持っているので、生活費も完全に別。
ただただ同居しているだけだった。
そんなある日、女性Aは男性Bが別の女性と一緒にいるのを目撃。
男性Bは浮気していた。
これをきっかけに、女性Aは男性Bは離婚する事に。
女性Aは、浮気していたのだから、慰謝料を支払えと要求。
男性Bは、完全に別居状態だったのだから支払う必要な無い、と反論。
家庭内別居中に夫が不倫した場合、妻は慰謝料を貰えるのか?
北村弁護士の見解:貰えない
「会話が3年間一切無い、これは偶々同じ家に住んでいる男女というだけの事です。そんな2人なのに、男性が別の女性と男女関係になったからといって、女性は本当に傷付きますか?だから、慰謝料の必要は無いのです」
北村弁護士の見解は、理解出来なくもないが……。
あくまでも家庭内別居。
一緒に住んでいる訳だから、実情はともあれ、夫婦関係が完全に冷え切っている事を立証するのは難しい。
3年間住まいまで別だったなら、夫婦関係が冷え切っている事実は証明し易いので、浮気していても慰謝料が生じないという理屈は理解出来る。
菊池弁護士の見解:貰える
「世の中の夫婦には色々な段階があって、冷めている夫婦、ラブラブの夫婦、マイペースな夫婦、色々な夫婦がいます。『これで夫婦関係が終わり』と言い切って良いのかと言えば、まだ問題があると思います」
本村弁護士の見解:貰える
「問題は、婚姻関係が破綻していたと言えるかどうかです。家庭内別居では、到底破綻とは言えません。全部別々ですと言いながら、トイレは一緒だったりしますよ。それが平気でいられるのは夫婦だからです。離婚していないのに浮気しているのだから、慰謝料を請求するのは当然です」
菊池弁護士と本村弁護士の見解は、合理的といえば合理的。
いくら家庭内別居状態だったとしても、それを部外者に立証するのが困難なら、普通の夫婦と見なさざるを得ない。
となれば、片方が浮気をしていたら、慰謝料の支払いが生じるのは当たり前。
VTRでは今回の夫婦の関係は完全に冷え切っているのが分かるが、通常の夫婦ではこうしたVTRが無い以上、家庭内別居を立証するのは難しい。
冷え切っている事を部外者にも分かり易いようにするには、別居しかない。(^~^;)
2017年03月13日
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菊地弁護士と本村弁護士の見解は一般的な夫婦において不倫が発覚したと言うことであればまだ話は分かりますけれども、本件のように仮面夫婦の期間が3年間も続いたとなると、やはり婚姻関係は破綻したと見做され、不倫に伴うショックは限りなくゼロに近いものと見做されると思います。個人的にはこのような期間が半年以上続けば離婚が認められるレベルの婚姻関係の破綻が成立したと見做してもよいのではないかと考えます。そういうことを踏まえると本件において女性Aは慰謝料を取れない、仮に慰謝料を取れたとしても雀の涙となる可能性が高いと言うのが僕の見解です。
やっぱり「家庭内別居」の状態と言えども、それを他の人に対して証明できる明確な根拠がなければ、「自分達は家庭内別居の状態ですよ」と言っても証明は難しいですからね。3年間でも5年間でも同じです。
これが3年間、住まいも別の「完全なる別居」状態だったなら話は別ですけど、そうでない限りは完全なる夫婦関係破綻とは言い切れないと言うわけですから当然普通の夫婦と同じですよ。その上で浮気したとなれば、慰謝料が発生するのは全くもって当たり前の事だと思うんです。よって今回の見解は菊池・本村弁護士の見解が非常に合理的ですね。以上です。